はじめに
今回は、柔道整復について、歴史や法などにも触れながら解説していきたいと思います。
最後に、目的や心得も掲載しましたので、ぜひ最後までご拝読頂ければと思います。
柔道整復
柔道整復術とは
「運動器に加わる急性、亜急性の原因によって発生する各種の損傷に対する施術」であり、骨、筋、関節を主体とする「患部」や「受傷部」に「施術」するものです。
柔道整復の成り立ち
戦国時代の武道の書物には「活法」「殺法」に関しての記述があります。
この活法と殺法が武道の表裏一体の関係となり発展してきました。
殺法
現在では、殺法が、武道の中で相手を倒す方法の事です。
時代とともに、変化し現在では柔術や柔道となり、精神修養の手段として、その技や競技として楽しむスポーツの中に組み入れられていきました。
活法
一方、活法は傷ついた治療法の事です。
こちらも時代とともに変化し、現在の柔道整復へとなりました。
活法の中には、現在の柔道整復で行う治療の骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷など外傷の治すものに加え、出血や仮死状態の蘇生法なども含まれていました。
前述しましたが、柔道整復では、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷など外傷の処置を主に行います。
柔道整復師法と資格
柔道整復師の業務範囲は
昭和45年4月に柔道整復師法が制定され、その後何度か法改正が行われ、現行法では、
「脱臼、骨折、捻挫、打撲等に対してその回復を図る施術を業として行うものである」と行政の見解が示されています。
国家資格への移行
以前は都道府県の免許であったが、平成元年(1989)年の柔道整復師法の改正で、厚生大臣免許へと変わってきました。
業務の独占
「医師である場合を除き柔道整復師でなければ業として、柔道整復を行ってはならない」と業務の独占が規定されています。
また
「柔道整復師は、医師の同意を得た場合の他、脱臼または骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りではない」
と施術の制限も規定しています。
施術の目的と心得
施術の目的
柔道整復師は、筋腱骨格の皮下損傷に対して、その原因、症状などを観察し、症状を的確に評価したうえで、損傷患部に適した処置を施し、さらに、自然治癒力を促して損傷組織の修復力を高め、経過を再評価・再処置して、早期に社会復帰させることが目的になります。
心得
絶えず勉学に親しみ、数多くの臨床を経験することで、業務を全うするためにも、柔道整復の範囲にとらわれることのない知識を身につけなければならない。また、豊かな感性を養い、人格の陶治につとめ、患者には自愛を持って接し、対話を大切にし、私利私欲にとらわれることなく、患者の利益となるよう最善を尽くすことが肝要であり、社会に奉仕するものとして、信頼される柔道整復師に成長しなければならない。
さいごに
今回は、柔道整復について掲載させて頂きました。
1人でも多くの方に、柔道整復の業務範囲や資格、目的や心得などが伝われば幸いです。
参考文献 社団法人 全国柔道整復学校協会・教科書委員会:柔道整復学 理論編、南江堂、2007